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しばらく前に「サラリーマン大家」が話題になりましたが、資産運用のひとつの手段として不動産投資を検討されたことのある方は少なくないのではないでしょうか。「サラリーマン大家」は夢でも何でもなく、実際に行っている方がたくさんいます。しかし、初歩的な計算を誤ったために失敗してしまう人もいるのが事実です。
投資を決定する判断指標にはさまざなものがあります。不動産投資であれば物件の価格や将来性がそれです。他にも築年数、管理の良さなども判断の基準となってくるでしょう。その中でも「利回り」は最も重要な指標だと言っても過言ではありません。利益に直結する指標ですから、この指標が悪い物件はそれだけで投資対象としての価値が大きく下がります。
利回りの意味や本質を知ることは不動産投資を成功させるための第一歩です。本稿では、利回りに関する基礎知識と計算方法を紹介した上で、おおまかな利回り計算のできるツールを提供いたします。
利回りとは?その計算方法は?
利回りはその物件から得られる収益の期待値を示した指標です。数値が高いほど収益が多くなるので、特別な理由でもない限り、利回りは高ければ高いほどよい、ということになります。
住宅系物件の利回り目安は都心で5~6%とされていますが、地域や景気によって変動するので、あくまで参考として捉えておくとよいでしょう。
利回りの計算方法は、「その物件から得られる1年間の収益÷物件の購入費用×100」です(表面利回りの場合)。
たとえば、3000万円の物件を購入し、1年間で150万円の収益が出れば、その物件の利回りは5%ということになりますね。
ただ、注意しなければならないのは、不動産会社で提示されている利回りは基本的に全て「表面」利回りであることです。以下で詳しく解説しますね。
表面利回りと実質利回り
表面利回りとは、購入費用以外に何も費用がかからないと仮定して算出された利回りです。計算方法も非常にカンタンで、上述したように年間収益を購入費用で割るだけとなっています。
しかし、実際に物件を運用、管理していくと、それにあたってさまざまな費用が発生します。管理費や修繕費、固定資産税といった税金もそうですね。これらの費用はもちろんオーナーの財布から出ていくので、実際の利益は物件の収益からこれらの金額を引いた額になるはずです。
このように全ての収入、支出をひっくるめて計算した利回りが実質利回りです。そのため、どれだけ表面利回りが高くても、実質利回りが低いのであれば投資する価値はありません。
実質利回りを下げてしまう原因は?
表面利回りと実質利回りに大きな差が生まれてしまう原因はなんでしょうか?これもさまざまな原因がありますが、たとえば、入居者がなかなか決まらず空室の期間が長くなってしまえば、その期間の家賃収入は得られず、実質利回りは低下します。
また、古い物件で頻繁に修繕費用がかかれば、それは支出となり、やはり実質利回りは低下してしまいますね。
そのため、投資先の物件を選ぶ際には価格だけで判断するのではなく、入居者が決まりやすい人気の物件であるか、設備は古すぎないかといったこともチェックする必要があるのです。
投資マンションはキャッシュフローが命
キャッシュフローは簡単に和訳すると「お金の流れ」という意味です。お金は収入として手元に入ってきて、支出として出ていきます。ここで、入ってきたお金を全て出してしまうと、手元には全くお金が残らず、利益はゼロになってしまいます。
いかに収入を増やし、支出を抑えるか、このキャッシュフローを緻密に計算し、コントロールすることが不動産投資を成功させる秘訣です。なるべく管理費や維持費などがあまりかからない物件を選ぶようにし、利益を最大化させましょう。
何も考えずに過ごしていると、思った以上にお金は出ていくものです。どれだけ収入があり、いくら支出があるのかを常に把握する癖をつけましょう。
利回り計算機
ややこしい利回り計算を簡単にできるツールをご用意しました。投資前のシミュレーションに役立てていただけると幸いです。
おわりに
不動産会社に行くと、提示されている利回りが高い物件を優先的に選びたくなりますが、それは表面利回りである場合が多いです。そこで、その利回りになる根拠や理由を営業マンに聞いてみましょう。しっかり根拠を持って答えてもらえたなら、ある程度安心して選んでもよいかもしれません。
逆に、明確な根拠を答えられない、計算式ではこうだから~などといって、押し通してくるような場合は怪しく思ったほうがいいでしょう。
最終更新日:2017-03-21