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立地条件のよくない不動産は、比較的入手しやすい反面、賃貸物件としてのリスクが大きくなりがちです。しかし、立地で不利でも、ほかの条件を変えることで魅力的な賃貸物件にすることは十分できます。
立地条件が不利な物件は条件面で差異化してみよう
便利な立地の物件は、時期を問わず人気が高いものです。そのため、立地のいい土地の不動産は価格も上がりますし、そもそも物件自体が少ないことも。
そこで考えるのが、立地条件が不利な物件への投資です。
立地がよくない物件は、物件の候補が増えたり安く購入できたりするというメリットがありますが、賃貸市場ではどうしても人気は下がりがちでるため、「安く買えてもちゃんと回収できるかどうか不安」と考える方が少なくありません。
裏を返せば、立地条件が不利でも入居率を上げて空室の状況を少なくすることができれば、魅力的な投資物件になります。立地の不利な物件でも家賃を下げずに入居率を上げるためのポイントは、立地以外の条件を魅力的にすることです。
賃貸物件で人気の条件
ペット可
ペットとして犬や猫を飼う家庭は以前から多くありましたが、昨今は特に猫の人気が高まり、単身者でもペットを飼う方が増えています。一方で、ペット可、特に猫の飼育が可能な賃貸物件は非常に少ないのが現実です。
今のペット飼育は、室内飼いが基本。そのため、ペットを飼うと内装が汚れたり傷がついたりするのではないかと気にする家主さんが多いのです。
そのニーズを狙って、猫も含めたペットの飼育を可能な物件にすれば、立地の不利を補うに十分な魅力となります。契約で、入居者の方にも傷や汚れに気をつけて飼育してもらうことをお互いに納得し、敷金を多めに預けてもらうようにすれば、多少のことがあっても安心できるでしょう。
バス・トイレ別
浴室とトイレが別々のスペースに配置されていると、浴室を使うときの解放感が違います。また、家族で住む物件の場合は、浴室を使う方とトイレを使う方が同時になることが少なくなく、同じスペースでは不便です。
近年は、単身者向けの物件でも当たり前のようにバス・トイレ別の物件が増えており、賃貸運営を考える上では必須ともいえる条件です。
都市ガス使用可
特にファミリー層で人気が高い条件です。実は、ガスの種類が都市ガスかプロパン(LP)ガスかによって、ガス代金が大きく異なり、一般的にLPガスのほうが高額で、平均して都市ガスの1.5倍から2倍程度にのぼります。
東京では9割以上が都市ガスの物件とされており、意識しなくても都市ガスの物件にあたることが多いものですが、一歩東京を出ると都市ガス未対応の物件は意外と多いのです。郊外で都市ガス対応であれば、他の物件に比べて一歩リードとなります。
2人入居可
恋人との同居、家族での住まいだけでなく、友人とのルームシェアなども可能であれば、それだけ入居候補者が増えることになります。外国人と結婚する方や外国人同士の入居ニーズも増えており、外国人の入居が可能な物件も確実にニーズがあるといえるでしょう。
複数人入居、特に若年層の場合は、騒音トラブルの防止に留意する必要があります。外国人の入居を可能にする場合は、日本人の連帯保証人をつけてもらえるようにするとお互いに安心感につながります。
敷金・礼金なし
家賃に加えて、敷金・礼金といった出費は、やはり入居のハードルを大きく左右する要素となっています。
敷金・礼金なしの物件なら、立地が不便でも魅力ととらえる入居者は多いものです。ただし、敷金なしの場合、家賃の未払いや退去時の損害などへの備えは考えておくべき。
駐車場あり
徒歩や交通機関での利用が不便でも、駐車場があって車が使いやすい物件であれば、生活は便利になります。特に郊外では車の利用が必須という地域も多いもの。広めの土地を購入して駐車場完備の賃貸物件に仕立てれば、そもそもの「立地の不利」を補うことができます。
楽器の使用可
立地が不便な地域だからこそ実現しやすい条件ともいえます。たとえ周囲に住居が少なくても防音工事は必須ですが、常に一定のニーズが見込める設備です。
「駐車場あり」との合わせ技にすれば、大きな楽器の持ち運びも楽になります。
連帯保証人不要
さまざまな事情で連帯保証人をつけることができない方は少なくありません。
入居者自身が賃料を支払えるだけの収入があることが前提ですが、保証人代行会社などを活用することで連帯保証人不要を謳うことができれば、訴求力アップにつながります。
おわりに
入居率を上げるには、家賃を下げるという選択はもちろん有効ですが、家賃を下げればそれだけ収入が減ってしまいます。投資としては、低いコストで高い収入をあげることが望ましいです。
そして、入居者側の視点から考えても、家賃や立地条件以外にも「これがあったら魅力的」「こんな物件を探してるけど少なくて困っている」というニーズはいろいろあります。条件の設定次第で、物件の魅力を高めることは十分可能なのです。
最終更新日:2017-07-23