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東京都心部を中心とする不動産市場の活性化の影響を受けて、最近では東京近郊の首都圏や地方都市にそのターゲットを移そうと考える投資家が増えているといいます。地方都市での不動産投資には、都心とは異なる利点とリスクに気をつける必要があります。
地方都市とマンション投資の関係
近年、東京都心の不動産価格は上昇傾向にあります。2020年の東京五輪開催も決定し、将来的にも安定した利益を見込むことができるとふんだ投資家によって、都心の不動産への投資集中傾向があるからです。
しかし、購入価格が上昇しているということは、利回りは相対的に低下することになります。また、高額な価格での購入が予算的に難しく、投資を見送らざるを得ないというケースも少なくありません。
そこで注目を集めているのが、東京近郊の首都圏や、札幌や仙台、大阪、名古屋、福岡といった大都市以外の地方都市のマンション投資です。過熱気味ともいえる都心の不動産物件に対して、地方都市の物件は相対的に利回りが高いといえます。
購入価格の観点でも、都心では区分マンションがやっとというケースでも、地方都市であれば一棟マンションのような比較的規模の大きい物件が視野に入ることもあるでしょう。
そのようにメリットもある地方都市のマンション投資ですが、地方都市ならではのデメリットもあり、そうした点を理解しておく必要があるのです。
地方都市でマンション投資をする利点
地方都市のマンション投資において大きな利点は、前述のとおり、相対的に高い利回りが期待できることです。たとえば、都心の区分マンションの場合、その利回りは6%から7%程度であることが多いのに対して、地方のマンションの場合は10%や20%といったケースもあります。
投資家や一般消費者からの需要が東京都心のように過熱していないことや、土地価格の安さの影響を受け、物件の購入価格も比較的安価です。そのため、大規模の物件購入や、借り入れせずに自己資金だけでの購入といったことも可能になります。
加えて、投資における競争率の低さも地方都市の不動産投資の利点です。先にも述べたように、2020年の東京五輪などを前にして、今もなお東京都心部の物件に対する人気は衰えを見せず、競合は増える一方といえます。
投資家の多くは東京都心や大都市に住んでいると考えられ、実際の利便性や不動産物件としての期待値も身近に感じられるのでしょう。
対して、地方都市の物件の場合、そうした方々からすると実態や投資先としての有望性はなかなか実感できないかもしれません。距離のある地方の物件へ実際に何度か足を運んで検討するといった投資スタイルは効率がいいとはいえず、そのハードルが必然的に高くなります。
また、人が減っているといわれる地方都市での賃貸経営に対して不安感を抱いていることも少なくありません。
そうした状況から、投資の競合がそれほど多くないため、都心のように物件価格が過熱上昇しすぎることもなく、利回りを期待できるということになります。
地方都市でマンション投資をするリスク
地方都市でのマンション投資における大きなリスクは、空き室リスクの高さです。理由の1つは賃貸需要の少なさ。その少ない需要を賃貸物件で取り合うことになり、ほかに魅力的な物件が出てくれば入居者を奪われてしまうといった懸念も高くなります。
もう1つの理由は、管理会社の質にあります。物件が空き室になった場合にいち早く次の入居者を決めるためには、管理会社の営業力や的確な行動が重要になります。
しかし、地方都市では管理会社間の競争が少なく、サービスのクオリティが競争によって高まっていくということが期待しづらいのです。
競争の激しい東京都心の管理会社であれば、入居者を決めるためのノウハウや目標数値が細かく定められており、入居者の決定に役立てられています。他方、地方都市ではそうした仕組みが構築されていないことも多く、入居者が決まるまでに時間がかかってしまうことも少なくありません。
そうした地方都市の実情は、物件の売却時にも影響を及ぼします。都心に比べて購入需要も少なく、不動産会社の質も高いとはいえない状況では、売却したいと思っても時間がかかることがあるというわけです。
おわりに
地方都市のマンション投資には、利点もあればリスクもあります。重要なのは、その物件の価値をよく理解した上で判断することです。地方都市の物件の場合、投資家自身がその都市に土地勘がないと物件の価値を見極めることが難しいかもしれません。
しかし、「知らなかった」ではすまされないのが不動産投資です。地方都市の利点である高い利回りを実際に得るためには、その物件の利点とリスクを把握することが重要なのです。
最終更新日:2017-03-30