おすすめPickUP!
最近、日本全国で賃貸併用住宅の数が増えてきています。賃貸併用住宅とは、「自分たちの居住空間」と「賃貸として他人に貸し出す空間」の2つを備えた住宅のことです。たとえば2階建ての建物であれば、1階はオーナーが住み、2階は賃貸契約を結んだ契約者が住む、といった具合になります。
賃貸併用住宅の大きなメリットは、別の入居者がいればオーナーに毎月家賃収入が入ることです。この家賃収入を住宅ローン返済に充てれば、毎月のローン返済がグッと楽になります。ただ、賃貸併用住宅にはメリットだけではなくデメリットも存在します。それぞれを詳しく見ていきましょう。
賃貸併用住宅という選択肢
十分な広さの敷地を所有しているなら、賃貸併用住宅はとても魅力的な選択肢になります。上述したように、入居者さえいれば不労所得ともいえる家賃収入が毎月入ってきますし、賃貸部分の管理は管理会社に任せておけばそこまで手間はかからないためです。
また、子どもが成長して家族構成が変化したときに、それに合わせて居住空間を変更することもできます。賃貸部分をそのまま子ども用の部屋として利用してもいいですし、広さを活かして二世帯住宅にリフォームすることも可能です。都合に応じてある程度柔軟に対応できるのが賃貸併用住宅のメリットといえるでしょう。
賃貸併用収入のメリット
もちろん他にも多くのメリットがあります。順に解説していきますね。
低金利のローンが利用できる
家賃収入を目的として住宅を建てる場合は住宅ローンが利用できません。代わりにアパートローンと呼ばれるローンを利用することになりますが、住宅ローンと比べるとかなり高金利になってしまいます。
しかし、賃貸併用住宅でオーナーの居住空間:賃貸部分の比が51:49以上であれば、住宅ローンを利用できるのです。つまり、低金利のローン利用と賃貸住宅建設の両立が可能となります。
固定資産税の節税効果
固定資産税は毎年1月1日に所有地、所有物件に対して課税される税金です。固定資産税にはさまざまな減額制度があり、賃貸物件に対しても減額が適用されます。
賃貸併用住宅でも減額制度を利用でき、賃貸部分とみなされる土地、床面積にかかる固定資産税は本来の評価額からそれぞれ20%、30%の減額となります。
相続税の節税効果
親から自宅や土地を相続する際、その場所に続けて居住するなら相続税が80%減額されます。しかし、そうでない場合は本来の税額、つまり100%の税金がかかることになり負担は大きいです。
ところが、賃貸併用住宅ならその土地、住宅に住まない場合でも賃貸部分については50%の減税を受けることができます。固定資産税と合わせて大きな節税効果が期待できるのです。
賃貸併用住宅の注意点
賃貸併用住宅にはメリットばかりではなく、もちろんデメリットも存在します。
借入額が大きくなる
自分たちの居住空間と賃貸部分を確保するためには、それなりに大きな土地、建物を用意しなければなりません。そのため、どうしても建設時の費用などがかさみ、住宅ローンの借入額も大きくなってしまうでしょう。
また、賃貸併用住宅では家賃収入を住宅ローンに充てられるとはいえ、それは入居者がいてこそです。もし入居者が一人もいなくなってしまえば、ローン全額を月々の収入から捻出しなければなりません。
賃貸併用住宅で高額な住宅ローンを利用する場合、常にそういったリスクがあることは知っておきましょう。
賃貸オーナーとして管理の仕事が増える
不動産収入は不労所得とも言われますが、それでも全く仕事がないわけではありません。入居者が住みたいと思えるような部屋作り、さらにそれを維持していく必要があります。
管理会社に管理を任せることによって大幅に業務を減らすことはできますが、全くのゼロにすることは難しいでしょう。
入居者との生活時間帯が違うとお互いストレスに
賃貸併用住宅は部屋こそ分かれているものの、赤の他人が同じ物件に住むということで集合住宅の一種とも考えられます。集合住宅で一番の問題になるのは騒音です。特に、生活時間帯が異なる人が入居すると、深夜や早朝の騒音に困らされる可能性があります。
これを回避するには建設時に間取りを工夫して、できるだけ隣人の騒音が気にならないような設計にするとよいでしょう。
おわりに
不動産による家賃収入は不労所得に近いものがあり、それに憧れて不動産の世界に飛び込む人も多いです。賃貸併用住宅は低リスクで行える不動産投資のようなものですが、それでもノーリスクというわけではありません。
チャレンジする場合はメリット、デメリットを正しく把握して、十分に計画を立ててから実行してくださいね。
最終更新日:2017-03-03