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日本経済新聞に掲載された記事によると「オール電化住宅の地域別普及状況調査結果」では、個人住宅の太陽光発電システム普及率は6%となっています。他のタイプも含めると、すでに10件に1件の割合でオール電化が見られます。
参考サイト:日本経済新聞より
オール電化住宅とは?
最近はごく普通に耳にする「オール電化住宅」ですが、まずは基本的な定義と気になる電気代について確認しておきましょう。
オール電化住宅について
オール電化住宅はその名称通り、すべての熱源を電力で賄います。生活する上では、照明や空調、調理、給湯などにエネルギーが必要です。オール電化住宅では、ガスや灯油などを一切使わずに電気だけで機器類を動かします。
例えばキッチンではIHクッキングヒーター、給湯には「エコキュート」・「電気温水器」などが使われています。また暖房もエアコンのほかに、蓄熱ヒーターや床暖房などがあります。
気になるオール電化住宅の電気代
オール電化にしたいけれど電気代が気になる、という声も多いようです。
オール電化住宅の年間の電気代は15~28万円と、各地域の電力会社によっても幅がありますが、平均的にはおよそ20万円前後です。
一般家庭の年間電気代は、総務省家計調査結果によると平均13.5万円程度とされています。
(富士経済、オール電化住宅の地域別普及状況調査結果を発表:日本経済新聞のデータより)電化されていない住宅ではこのほかにも、ガスや灯油などのエネルギーが必要となるため、総合的に見るとオール電化住宅の電気代が必ずしも高いとはいえません。
自分たちの生活に合わせ、住んでいる地域の各電力会社のプランを比較して選ぶことで、平均値より安価に抑えられる可能性もあります。
オール電化マンションのメリットデメリットについて
オール電化を売りにしたマンションの広告も、良く目にするようになりました。オール電化されたマンションには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリット
オール電化マンションの主なメリットには、次のようなことが挙げられます。
安全性
マンションのような集合住宅の場合、何よりも怖いのは火元となることです。被害が自宅だけにとどまらずに、全棟へと拡大する恐れもあります。オール電化であればガスや灯油などほかのエネルギーと比較すると、直接火を扱うことが少ないため、火事が発生する率が低くなります。
室内環境
密閉度の高いマンションの場合、暖房の燃焼による空気の汚れが気になります。オール電化の暖房は、安全性が高い上、二酸化炭素の発生がありません。
電気代の節約
オール電化のシステムでは、深夜帯の電気料金が安い時間帯を利用し、蓄熱や給湯を行います。電気料金を安く抑えられ、家計費の節約にもつながります。
光熱費管理の簡略化
光熱費の管理は扱う会社が多いほど、煩雑になりがちです。調理や給湯、暖房などをすべて電気で補うことにより、光熱費管理が一元化され、わかりやすくなります。
デメリット
一方でオール電化のマンションには、以下のようなデメリットもあります。
調理器具に制限がある
ガスコンロのような直火と違い、IHクッキングヒーターでは磁力を利用し電流を熱に変える、加熱方法を採用しています。そのため土鍋や底の丸い中華鍋など、利用不可の調理器具が数多くあります。
お湯切れの不安がある
オール電化の給湯は、夜間、電気料金の安いうちにお湯をタンクに貯めるシステムです。マンションの場合は特にタンクのサイズが限定されるため、想定以上のお湯を使うと途中で切れてしまう可能性があります。使用している途中で水に変わるということもあるため、中古マンションを選ぶ際には家族人数とタンクサイズの大きさについての注意が必要です。
電気料金が高くなる可能性がある
電力会社のプランによっては、夜間電力は安く設定されていても、日中の電力が割高になっている場合があります。昼間にエアコンを長時間使用するなどして、思いがけず高額の請求となってしまう例もあります。
オール電化戸建てのメリットデメリットについて
オール電化戸建てについての、メリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
メリット
オール電化住宅の主なメリットには、次のようなものがあります。
給湯・暖房コストの軽減
マンションと同様に戸建ての場合でも、夜間電力を利用したプランが適用できます。また、ソーラーパネルを設置すればさらに電気代にかかるコストが抑えられ、場合によっては売電で多少の収入が得られる可能性もあります。
熱源を家の外に置ける
お風呂場やキッチン、リビングの各所に熱源を置かずに済むため、安全性が高く、二酸化炭素の発生がありません。
緊急時にはタンクの水が使える
戸建て住宅の場合では家族の人数に合わせたサイズのタンクの設置が可能であり、災害などの緊急時にはタンク内の水を利用できるというメリットもあります。
デメリット
オール電化の戸建てにも、デメリットはあります。
高額な初期導入費用がかかる
マンションとは違い、戸建ての場合には別途IHクッキングヒーターやエコキュート・電気温水器、さらに給湯用のタンクの設置などが必要となります。一般的なガスなどの設備と比較すると、導入費用が高くなります。
タンクの設置スペースが必要
貯湯タンクは家族の人数や住まいの大きさに合わせたサイズとなりますが、敷地内にかなりのスペースが必要です。新たに導入する際には、費用とともに設置場所に留意しなければなりません。
電気のみに頼るリスク
オール電化は家庭内で使うエネルギーのすべてを電力に頼るため、停電の際にはすべての機能がダウンすることになります。ガス器具を利用するなど、リスクを分散するといったことができません。
設備の騒音
夜間電力をフルに活用するため、エコキュートなどの設備が深夜・早朝に稼働します。近隣とのトラブル回避のためには、静音性に考慮した機器選びが必要となります。
おわりに
オール電化住宅は安全性が高く、快適である一方で、いくつかのデメリットもあります。便利さばかりに目を奪われて選択すると、生活していく上で逆に不便を感じてしまうということになりかねません。長短を良く理解した上で、家族構成・ライフスタイルに合わせた電力プランを選択していくことが大切です。
最終更新日:2019-05-11