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高さのある土地に建てられた高台の家は視界を遮るものがなく、開放感は抜群です。高台のマンションの上層階ともなれば、その開放感はより一層強いものになるでしょう。日当たりや風通しも期待できます。
そうしたことから人気が高かった高台の家は、2011年に発生した東日本大震災の津波被害で改めて多くの注目を集めることになりました。そんな高台のマンションについて、メリットとデメリットをみていきましょう。
高台のマンション・家とは?
高台とは、周囲に比べて高い位置にあり、その頂上が平らになっている土地を指します。その高台に建てられた戸建てやマンションが「高台の家」と呼ばれています。
高台の家の歴史
高台の家が重宝されるようになった理由をみていくと、昔、武士がいた時代までさかのぼります。武士どうしの戦いが避けられなかった時代、高台という立地は「外から攻めにくい」という大きな利点がありました。
またそのような時代には、地域の住民を洪水などの被害から守る「治水」も十分ではなく、低い土地の住宅では洪水被害のリスクが高かったのです。したがって、高台に住むことは、生命や財産、生活を守るうえで非常に重要でした。
近代の日本では、高台の住宅地が高級住宅街とされることも多く、東京都の麻布・芝・本郷エリアや、神戸の山手エリアなどは「山の手」と呼ばれ、高い人気とブランドイメージを確立しています。
高台の物件のメリット・デメリット
メリット
一番は眺望のよさでしょう。平地であれば住宅の周りにほかのマンションや商業ビルなど高さのある建物が建設されてしまい、ある日突然視界が遮られるということもあります。
しかし、高台であればそうした可能性は低く、マンションの上層階ではなおさら、安定した眺めのよさを堪能できるでしょう。そのため、日当たりや風通しもよくなることが多く、明るく快適な住環境が期待できます。
デメリット
反面、高台のマンションのデメリットとして考えられるのは、移動に苦労しがちという点です。通勤・通学や買い物などで出かけた帰り道、高台の家まで坂や階段を上るのは大変です。子育て中の方や高齢の方はなおのことつらく感じることも。
もう一つ、意外と見落としがちなのが、シャワーやトイレなどの水圧が弱い場合があることです。毎日の生活で使う場面の多い水道に不便を感じると、生活全体を不便と感じることにつながりやすくなります。
高台のマンション購入時に気をつけたいこと
高台の中古マンションを購入しようと考えている方は、高台のメリットだけでなくデメリットについても十分考慮し、検討する必要があるでしょう。そのほか、マンションの立地も気をつけてチェックしましょう。
その1
高台という立地には土地が低くなる部分との境目があり、そこからだんだん低くなっていきますが、なかにはその縁が崖のようになっているところもあるのです。
崖から離れたところにあるマンションであれば地盤も安心できることが多いですが、崖の近くの場合は地盤の安全性が問題となるケースもあり得ます。
特に、眺望のよさを最優先する場合、結果的に崖の近くのマンションを選んでしまうことも考えられます。マンションの購入に際しては、目先のメリットばかりでなく、長期的な安全性にも十分目を向けるようにしましょう。
その2
また低い土地にある駅や学校・会社、商業施設などへの移動ルートが限られるということが少なくありません。地図で見ていたら近そうに見えたのに実際は大きく回り道しないとたどり着けないというケースもあります。
先にもふれましたが、高台のマンションでは移動の苦労がつきまといがちです。自動車の有無や道幅、自分や家族の生活と照らし合わせて、不便なく生活できるかどうか判断するのが大切です。
おわりに
たくさんの日差しが入って明るく、視界の開けた高台のマンションは、想像するだけでうらやましく感じるということもあるでしょう。しかし、高台には高台ならではの注意点もあります。
高台のマンションにはたくさんのメリットがあり、住みやすさも大きくなりますが、その一方でデメリットもあるという点もきちんと理解して、マンション選びを進めていきましょう。
最終更新日:2019-04-03