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リフォーム工事を行う際には、必要な建材や住宅設備、機器などはリフォーム工事を請け負うハウスメーカーや工務店、リフォーム会社などの施工会社が購入手配し、リフォームを依頼した施主に対してその費用を請求するという流れが一般的です。
しかし、近年はこの流れにのらず「施主支給(せしゅしきゅう)」を採用するケースが増えつつあります。リフォーム費用の節約などに効果があるとされる施主支給ですが、メリットだけではなくデメリットもあり、成功させるためには注意しておくべき点もあります。
施主支給とは何か?
リフォーム工事では、新調する箇所の建材や、リフォームで交換する設備や機器の製品が必要となり、それらを購入して工事の現場に用意する必要があります。
一般的なリフォームの場合、それらは施主の希望や予算、使用状況などをもとに選択され、工事を請け負うハウスメーカーや工務店、リフォーム会社などの施工会社が購入から施工までを行います。
ところが「施主支給」の場合は、そうした建材・設備・機器などの購入・手配は施主自身で行い、工事現場への配送手続きも施主がとります。そして、それを施工会社に支給して工事に使ってもらうのです。
一般的なリフォームでは、建材・設備などを取り付けるための設計から購入・手配、実際の施工まで一括して施工会社が請け負いますが、施主支給の場合は支給された設備などを使うための設計と実際の取り付けを依頼することになります。
施主支給のメリット・デメリット
施主支給の大きなメリットは、施主自身が使用機材を選ぶことでこだわりの製品や建材などを使いやすくなる点にあります。元の家で使っていた設備や思い入れのある製品を使いたいといったケースにも適用できます。
工事を依頼する施工会社では、すべての建材・設備製品を取り扱っているわけではなく、選択肢には限りがあることも。そこで施主自身が自由に選んで自分で購入することにすれば、選択肢が広がるというわけです。
インターネット通販やアウトレットなどを活用することで、好みの製品を安く購入できれば、リフォーム費用の節約にもつながります。
ただし、数多くある選択肢のなかから自分で建材や設備を選ぶというのは、楽しいながらも負担の大きい作業です。製品の比較検討から自分の家で使用可能かどうかといったところまで、情報収集だけでも容易ではありません。
また、新たに購入する場合には、製品を購入する会社とリフォーム工事の施工会社という2つの窓口の間をうまく取り持つ必要があります。製品の仕様確認から納品期日の伝達まで、調整の仕事も手がかかるものです。そうした点が、施主支給のデメリットといえます。
施主支給でコストダウンできるとは限らない! 注意したいポイント
施主支給でリフォームを成功させるためには、いろいろ配慮しなければならない点が多いものですが、特にコストダウンをはかるために施主支給を行おうとする場合には注意が必要です。
施工会社を介さず施主自身が直接購入手配する場合、同じ製品でもより安く買いやすいのは確かですが、配送費用などの別途費用がかかることもあります。
さらに、リフォーム会社などの施工会社は、リフォーム工事を多く扱うために設備などを購入することが多く、独自の仕入れルートをもっていることが少なくありません。そこで購入することで安価で購入できることもあります。
そうすると、施主自身が購入することでコストダウンできるとは限らないということになります。費用を比較する際には、全費用の合計で確認するようにしましょう。
おわりに
施主こだわりの設備を選びやすい、コストダウンを実現しやすいというメリットのある施主支給ですが、リフォーム会社などの施工会社が手配する従来の方法にも、負担の軽減やすべてまかせられる安心感などのメリットがあるものです。
リフォーム工事には決めるべきことや準備も多く、建材や設備の手配に施主がどこまで手をかけられるかという問題もあります。全体のバランスを見て総合的に判断するのが望ましいでしょう。
いずれにしても、信頼できる施工会社を選び、施主支給の希望をもっていることをきちんと伝えて、手配や費用面などについて相談しておくことが大切です。
最終更新日:2018-09-25