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大金を借り入れて長い期間をかけて返済する住宅ローンは、マイホームという大きな財産を手に入れた反面、負担も大きいものです。そんななかで、少しでも負担を減らそうと「住宅ローンの借り換え」を検討する方も増えています。
住宅ローンと一言でいっても内容はさまざまで、借り換えによって優遇などの恩恵を受けることができればメリットが出ることも少なくありません。しかし、借り換えられれば何でも、いつでもいいというものでもないのです。メリットの大きい住宅ローンの借り換えやそのタイミングについて考えていきましょう。
住宅ローンの借り換えとは?
ある金融機関Aから住宅ローンを借り入れている方が、別の金融機関Bから新たにお金を借り入れて金融機関Aに住宅ローンを完済すると、その方には金融機関Bへの借金(債務)が残ります。これが「住宅ローンの借り換え」です。
借り換えの大きなメリットは、返済総額を削減できること。金融機関Aから借り入れている住宅ローンの金利より金融機関Bのローン金利が安ければ、返済する総額を減らすことができるのです。そのほか、新たなローンに特典がついていてお得になるようなケースもあります。
ただし、住宅ローンの借り換えには、事務手数料やローン保証料、登録免許税といった諸費用がかかります。したがって、借り換えの金銭的メリットを計算するためには、「借り換えによって減る返済額の合計(金利の額)」から「借り換えのためにかかる諸費用(+借り換えにかかる労力)」を差し引いて考える必要があります。
借り換え検討の時期について
住宅ローンの借り換えをいつ検討すればいいかというのはケースバイケースで、住宅ローンの借り入れ・返済状況によってさまざまです。前述のとおり、借り換えには費用や手間もかかりますから、目先のちょっとした金銭メリットだけで借り換えを決めてしまうのは早計です。
一つの目安となるといわれているのは、「借り換えで生まれる金銭メリット(軽減できる返済額)」が額面月収を超える時期です。たとえば、額面月収が30万円の方であれば、借り換えによって30万円以上の金銭メリットが生まれる時期が借り換えを検討するのに適したタイミングである——という具合です。
「せっかく借り換えるなら、もっと多くの金銭メリットが得られるようになってから実行したい」と思いそのタイミングをうかがっていると、ある時期に突然金利が上昇してしまい、借り換えの金銭メリットがかえって減ってしまうということもあり得るのです。
借り換えの判断に迷ったら3つのポイント
借り換えを検討してはみるものの、今が最適のタイミングなのかと考えると、借り換えを決める判断がなかなかつかないということもあるでしょう。そんなときは、次のポイントを考慮して考えてみることで、借り換えメリットを整理しやすくなります。
金利
住宅ローンの金利は「固定金利」か「変動金利」が一般的ですが、借り入れた住宅ローンと同じタイプの金利が0.3%程度下がるタイミングがくれば、借り入れによる金銭メリットを享受できると考えられます。具体的に借り入れによる金銭メリットを試算してみましょう。
収入
会社の状況などが変わって収入が減ったり、家族のライフステージの関係で支出が増えたりして、住宅ローンの返済負担が大きくなったと感じたら、住宅ローンの借り換えで毎月の返済額を減らせるかどうか検討してみるといいでしょう。
転職
勤めている会社を退職して転職しようと考える場合は、退職前に住宅ローンの借り換えを済ませることを検討しましょう。ローンの審査にはある程度まとまった勤続年数があるほうが有利で審査に通りやすくなるからです。
おわりに
最初に住宅ローンを借り入れる際にも、「35年もローンを返済し続けられるのだろうか」と不安に思った方も少なくないでしょう。同様に住宅ローンの借り換えについても、「今実行していいのか」「本当に得になるのか」と心配になるあまり、借り換えを思いとどまってしまうということも多いようです。
借り換えを行う最適なタイミングは人それぞれで、正解はありません。低金利時代の今、様子をうかがっているうちに絶好のチャンスを逃してしまうことのないよう、住宅ローンの借り換えを現実的に検討してみましょう。
最終更新日:2018-08-01