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マイホームを購入する際、金利の低さと安心感から「固定期間選択型住宅ローン」を選択する方も多いです。しかし、本当にリスクは少ないのでしょうか?数年後の家族のために、今から知っておきたい「固定期間選択型住宅ローン」のメリットやデメリットをご紹介します。
固定期間選択型ローンとは?
固定期間選択型ローンの人気を受けて、各行もさまざまなタイプの固定金利プランを打ち出しています。では固定期間選択型ローンとは、一体どのようなものなのでしょうか。
固定期間選択型ローンは、一定期間の金利が固定される住宅ローンのことです。よく銀行の店頭やネット上などで、「固定10年・年0.6%」のように表記されており、さまざまなプランが提案されています。
ちなみに「固定10年」とは「金利が10年間固定となること」を示しており、11年目以降からは、その時点の店頭表示金利より優遇されます。固定金利期間は、3年、5年、10年、15年など、銀行によりさまざまです。
たとえば固定期間を10年とした場合、10年間は低金利が確定されるので、その間は安心してライフプランが立てられますが、固定期間終了後は変動金利型となります。そのことを念頭に入れつつ、返済計画を立てていくことが大切です。期間終了時点での金利水準で、ふたたび固定期間型を選択することもできます。
通常、金利を固定する期間が長いほど金利が高くなるといわれています。また返済額の上昇幅に上限はありません。固定期間終了時点で金利が上昇していた場合、急激に返済額が増える恐れもあります。
メリットとデメリットとは?
住宅ローンを固定金利選択型にした場合のメリットとデメリットとは一体、どのようなものでしょうか。
<メリット>
・全期間固定金利型よりも低金利
・キャンペーン金利などお得な金利が多い
・固定期間中は、金利の上昇などの影響は受けない
・固定期間中は返済額が一定のため、お金がどれくらい必要か把握しやく金銭管理がしやすい
・「固定」のため、心理的に不安が少ない
<デメリット>
・金利水準が変動金利よりも高い
・低金利時でも、固定金利が適用されるため低金利のメリットは得られない
・固定期間終了後の返済額が予測しにくく、その後のライフプランが立てにくい
・返済額の大幅増加に備えておくことも必要
などがあげられます。上記メリット・デメリットを考慮して、ライフプランに合った返済計画を選択していくことが大切です。
しかし、住宅ローンを組むということは、どのような選択をしても何らかのリスクをともないます。いかにリスクを軽減しつつ、家族が笑顔で暮らせるようなプランを選ぶかがとても重要となってきます。
住宅ローンの仕組みを独学で把握することは困難です。専門家が近くにいる場合は、相談にのってもらうといいでしょう。
しかし、場合によってはそのアドバイスがあなたやご家族にはしっくりこないこともあり得ます。そのような時には、なぜ相手がその商品を勧めているかを観察するようにしてください。本当の商品の良さを知ることで、商品を選ぶべきか否かを選択しやすくなるかもしれません。
銀行員が「固定10年」をすすめる理由
コラムの冒頭に出てきた「固定10年・年0.6%」と表記されている内の「年0.6%」の部分は、適用金利と呼ばれるものです。多くの銀行が「固定10年」の「適用金利」をアピールしています。でもなぜ多くの銀行は「固定10年」を勧めるのでしょうか。
低金利のため、おすすめしやすい
マイホーム需要の低下やネット銀行の存在などにより、銀行は顧客獲得のため、さまざまな商品を打ち出しています。なかでも「固定10年」は、各行の金利の状況を比較検討しやすいため、銀行側としてもわかりやすく明記し多くの人にアピールできる手段だと認識しているようです。
また、変動金利に手を出しにくいという方でも、固定10年ならばローンを前向きに検討しやすいようです。
固定期間終了後の金利の動きに着目
固定10年の場合、11年目に金利が上昇してしまうと返済プランに影響を及ぼす可能性もあります。顧客にとっては一大事ですが、銀行にとっては利益になる状況といえます。
変動金利と固定期間選択型のイメージ
一般的に変動金利は、不安定でリスクがあるというイメージが先行しています。
しかし変動金利には、金利の急激な上昇にともなう救済処置として「125%ルール」があります。5年ごとに返済額の見直しをおこなう際、月々の返済額が上昇しても上限が125%までと決められているのです。
一方、固定10年の場合は「125%ルール」はありません。固定期間終了後の金利の動き次第で、変動金利よりも多く支払う可能性もあります。「固定10年」という言葉の安心感から選ぶのではなく、きちんと情報を整理してどちらのローンを組むかを検討するようにしてください。
まとめ
住宅ローンの種類を選ぶにあたり、考えておくべきポイントがあります。日々の返済額が無理のないものかどうかということは大前提ですが、それ以外に、子どもの教育資金や老後の資金作りを考慮しておかなければなりません。
5年後や10年後の金利の切り替わり時期に、子どもやご夫婦がどんな生活をしているかを考慮したうえで、住宅ローンを検討していきたいものです。
最終更新日:2018-07-24