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マイホームブック(byスターフォレスト) > お金・制度 > 競売物件で不動産を購入する流れからメリットと注意点までまとめて解説

2018-09-03

最終更新日:2022-05-26

競売物件で不動産を購入する流れからメリットと注意点までまとめて解説


中古マンションや中古一戸建てを探していて、「あと少し安かったら手がとどくのだけれど…」なんて思って経験はありませんか?

新築のみならず、中古市場も価格が年々高騰しており、買いたいと思った物件の値段には驚くことばかりです。

そんな中、市場価格よりも低い価格で住宅を購入することができる方法が一部で注目されるようになってきています。それが、裁判所にて行われている競売物件を購入する方法です。

この記事では、その競売物件について、購入の方法からメリット、注意点までまとめましたので参考にしてみてくださいね。

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競売物件とは?

そもそも、この「競売物件」をどのように読みましたか?この字は「けいばいぶっけん」と読みます。

一般的にオークションを意味する「競売」は「きょうばい」と読みますが、裁判所の競売手続きでは「けいばい」と読むことを覚えておきましょう。

話を戻すと、競売物件とは裁判所が手続きをして現金化される不動産を指します。平たく言うと、本来支払い義務のある人が、支払い困難になったため裁判所が差し押さえた物件です。

土地だけ、建物だけ、という場合もありますが地上権が対象となることもあり、地上権は登記もできますので競売で手に入れる人もいます。

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競売物件を購入する流れ

まず大前提として、競売物件を手放すこととなった債務者本人には入札資格がありませんので覚えておきましょう。

それ以外にも、過去に競売で同じ物件を落札したにも関わらず未払いだったことのある人は競売への参加が制限されます。

そのような条件下であれば外国人でも参加できます。ただし、農地のような使途が限られている土地の場合には、農業に従事していることを証明する書類が必要となります。

それでは、購入の流れをご説明しましょう。

1.競売物件情報をチェックする

自分が検討している競売物件を管轄する裁判所の競売物件情報は、新聞や情報誌、インターネットで所在地や価格、物件の詳細などを閲覧することができます。

小まめにチェックしておきましょう。さらに詳しい情報が知りたい場合には裁判所にある閲覧室で、3点セットと呼ばれる資料を閲覧するか、BIT(Broadcase Information f Tri-set system)というシステムを経由して確認することになります。

3点セットとは、物件明細書、現況調査報告書、評価書の3点です。

2.入札する

競売の年間スケジュールは、各裁判所のBITでも公開されていますし、裁判所でも確認することができます。

最低でも月に1回程度は行われていますので、問い合わせてみましょう。裁判所の競売物件入札は「期間入札」という方法で行われています。

通常1週間ほど設けられたこの期間の間に入札書を裁判所に提出し、予め決められた開札日にもっとも高い金額をつけた人に落札されます。

入札手数料

入札には、希望する物件の売却基準価格の20%以上の保証金が必要となります。物件が高額になればその分保証金の額も高額となりますので予め覚悟しておきましょう。

また落札できなければこの保証金は戻ってきますが、落札者が最終的に残金を支払わなかったような場合には募集されてしまいますので気をつけましょう。

売却許可決定

裁判所にて落札できた後には、「売却許可決定」がくだされ、登記が変更されます。この過程で少し複雑な書類手続きが生じますが、それを無事乗り越えれば、落札した物件なあなたのものです。

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競売物件を購入するメリット

競売物件を購入するメリットはズバリ「良質な物件との出会い」です。競売物件となった理由はあくまで持ち主の住宅ローン支払い問題ですので、物件そのものには何の問題もありません。

物件に不備があったり、立地条件に難点があったり…という訳あり物件ではないので、安心して購入することができます。

ただし、住宅の状態は素人には判断しにくい部分もあるので、購入前に専門家にきちんと相談し、また購入後には念のためインスペクターによる調査を受けてみるのも良いかもしれませんね。

インスペクションに関してはこちらの記事(リースバックなら自宅売却しても住み続けられる!利用するメリットとデメリット | マイホームブック(byスターフォレスト))を参考にしてみてください。

競売物件を購入したいと考える方が、メリットと感じる要素に「相場より安く購入しやすい」という点もあります。市場に流通している一般的な物件では、近隣の不動産や近似物件の売買事例などを参考にしながら、売り主と買い主が相談して売買価格を決めることになります。

とはいえ、売り主はなるべく高額で売りたいと考えますし、仲介手数料を得る不動産会社にとっても売買価格が高額である案件にはメリットがあります。ですから、市場の相場に比べて大きく安くなるということはまれです。

価格は不動産鑑定士によって決まる

競売物件は、不動産鑑定士の鑑定によって価格が決まります。そこでは元の所有者の意向は関係なく、売却して債権を回収するためにも価格はそれほど高くはなりません。そのため、相場に比べて安価で購入しやすいのです。

なお、競売物件に抵当権などがある場合でも、裁判所の職権により抵当権は抹消されます。そのため、住宅金融公庫の抵当権などがあって残債が残っている一般的な物件と違い、抵当権以上で売ることが必須ではない競売物件は、市場の相場に比べて60%ほども安くなるといわれています。

希少性の高い物件

一般的な不動産市場に出回らないような希少性の高い物件を探しやすいというのも、競売物件のメリットです。好立地の物件や築浅で条件のいい中古物件などは、一般の不動産市場にはなかなか出てきませんし、出てくることがあっても高額になりがちです。

一方で、競売物件の場合は、所有者の意向にかかわらず、債権を早く回収したいと考える債権者の判断で競売にかけられることがあります。そのため、一般的に見て“掘り出し物”とされるような希少性の高い物件が出回ることがあるのです。

そして、競売物件の価格は前述のとおりです。もちろん、掘り出し物の物件には多くの方が飛びつきますから、最低価格で落札できるとは限りません。それでも、資金を用意して裁判所が行うオークションに参加できれば、希少性の高い物件を安めの価格で入手できるチャンスが生まれることになります。

競売物件を購入する際の注意点

メリットもたくさんある競売物件ですが、注意しておきたいポイントがあります。

1.一括払いしなくてはならない

競売物件の購入は一括支払いとなります。また、保証金として購入代金の20%を前払いする必要もあります。競売物件購入を検討するのであれば、その金額がすぐに用意できなくてはいけません。

落札が困難

市場価格よりも安く購入できるという最大のメリットはありつつも、不動産業者、不動産関連企業、そして知識と経験を持った一般ユーザーが揃って落札しようとしますので、落札に至るのが困難であるともいえます。

また市場価格よりも安く買えなければメリットにはならないのでさじ加減が素人には難しいところです。

内覧はできない

通常住宅を購入する際には、モデルルームも含めて内覧をすることができますが、競売物件に関してはできません。

競売物件に多い強制執行とは?

オークションで落札された競売物件は、最高値を入札した落札者(買受人)から代金が納付された段階で所有権が落札者に移ります。その段階でもなお、競売前の所有者がその物件に住んでいることが少なくありませんが、ここで新たな所有者に対して物件を引き渡す義務が生まれるのです。

基本的には、買受人と前所有者が話し合いのうえで退去日を決め、前所有者は立ち退きを進めるということになります。しかし、債務を返済できないような状態にある前所有者は、期日までに立ち退きを行わず、不法占有を続けてしまうこともあります。

最終的にどうしても前所有者が立ち退かない場合、買受人は裁判所に対して「強制執行」を申し立てることができます。そこで手続きを経て引渡命令が確定すると、裁判所の執行官により強制執行が執り行われ、前所有者は強制的に退去されることになるのです。

これが、競売物件に多い「強制執行」です。落札から強制執行までは、最短で2カ月で可能になります。それまでには、前述のように話し合いがもたれますし、有無を言わさず即座に強制執行をと考える買受人の方は少ないものですが、前所有者は最終的には立ち退かざるを得ません。

よって、公開された条件・状態の中から判断する他ありません。落札前に、所有者に許可を得て見ることは法律上は可能ですが、なかなか応じてもらえないかもしれません。

リスクもふまえて購入するかよく検討しよう

気に入った物件を市場価格よりも安く手に入れることができたとしたら、それは儲けものですよね。

しかしながら、そのメリットを得るためにはいくつかの注意点も存在します。この記事でそのうちのいくつかをご紹介しましたが、実際の落札では何が起こるかわかりません。

さまざまなケースに備えて対応できるだけの余裕があることが競売物件購入検討の第一条件とも言えます。リスクを考えた上で購入するか考えましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。競売と聞くとオークションをイメージされていた方も、この記事を読んで何となく正しいイメージが湧いてきたのではないでしょうか。

現金が十分に用意できていて、気に入った物件が競売にかけられている場合には、チャレンジしてみる以外ありません。

しかし、支払いに不安があったり、落札ということにハードルを感じる場合には、まず専門家に相談してからの方が良いでしょう。


最終更新日:2022-05-26

 

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