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マイホームブック(byスターフォレスト) > お金・制度 > ノンリコースローンとは? 返済不可に陥っても債務が残らない融資方式

2018-01-05

最終更新日:2018-01-05

ノンリコースローンとは? 返済不可に陥っても債務が残らない融資方式


近年、不動産経営に携わる投資家から注目を集めているローンに「ノンリコースローン」というものがあります。

一般的に、住宅ローンをはじめとして個人や法人がお金を借り入れる「リコースローン」に対して、不動産分野で採用されることの多い融資方式が「ノンリコースローン」です。

このノンリコースローンとは、一般的なローンとどのような違いがあるのでしょうか。また、投資家などの借り手にとってどのようなメリットがあるローンなのでしょうか。今回は、このノンリコースローンについてご紹介します。

ノンリコースローンとは?

ノンリコースローンとは、その名のとおりリコースされないローンのこと。リコース(recourse)という英語は「遡及」「償還」を意味し、ノンリコースローンは日本語で「非遡及型融資」とも呼ばれます。

一般的に、不動産の購入において借り入れたローンの返済が滞った場合、債務者は物件を売却して返済に充てざるを得なくなり、万一売却しても債務を返済しきれない場合には何らかの方法で残額をすべて返済しなければなりません。

しかし、ノンリコースローンであれば、ローンの返済が滞った場合には対象物件を売却すればそれ以上の債務は残りません。

ノンリコースローンのメリット

ノンリコースローンの大きなメリットは、ローンの返済の責任範囲が限定され、それ以上は遡及されないという点でしょう。

投資計画が想定どおりに進まず、借り入れたローンの返済ができなくなってしまうことがあっても、その物件を売却すればそれ以上の債務を免れることができ、債務だけを抱えてしまうといった状態を回避することができるとなれば、投資にも乗り出しやすくなります。

責任範囲が限定されるノンリコースローンの場合は、債務の全額の返済を迫られる一般的なローンとは異なり、債務者の返済能力が問われづらいという面ももちます。

そのため、収入や資金がそれほど多くないという方でも利用しやすく、これから不動産投資を始めるというような方には資金調達のハードルを下げやすくなります。

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ノンリコースローンのデメリット

ノンリコースローンの場合、債務者の返済能力はそれほど求められませんが、対象物件に求められる基準は非常に高くなります。

ノンリコースローンを貸し出す金融機関にとっては、物件のキャッシュフローがローンの返済能力に直結するからです。

好立地の物件や需要の多い都市部の物件に対して、過疎地の物件や駅から遠い物件などではノンリコースローンを組みづらいことが予想されます。

もう1つ、ノンリコースローンは金利が高くなる傾向にあります。これも、金融機関が貸し倒れリスクを抑えるために金利が上乗せされているのです。

債務者にとっては、債務者自身の返済能力に対する審査のハードルは低かったとしても、返済の負担がそれなりに重いものになることは覚悟しておくべきでしょう。

ノンリコースローンと不動産投資との関係

ノンリコースローンの最大の特徴は、責任範囲が限定される点にあります。

責任範囲を対象物件のみに限定するノンリコースローンであれば、手広く不動産投資を行っている場合や他の事業も展開しているようなケースにおいて、万一返済が難しくなっても、ほかの資産や事業への影響を食い止めることができるというのは、不動産投資を行ううえでも大きな利点となるでしょう。

現段階で、日本では個人が利用できるノンリコースローンはまだ限られていますが、アメリカでは一般的な融資方式として知られています。

今後は日本でも、個人の不動産投資家が利用できるノンリコースローンが拡大していくと見込まれており、投資家を重視した融資への転換が期待されています。

おわりに

人の返済能力にお金を貸す一般的なローンに対して、物件の返済能力、つまりキャッシュフローに対してお金を貸し出すノンリコースローンは、不動産投資を行う借り手にとっては非常に魅力的な融資です。

責任範囲を限定できるノンリコースローンは、返済不能となってしまったときのダメージの大きさがかなり違ってくることになります。

しかし、ノンリコースローンも当然返済義務があり、メリットもあればデメリットもあります。

いくら責任範囲が限定されるとはいえ、利用できる物件の選択肢自体が狭くなってしまったり金利が高くなったりというのは、不動産投資において影響は小さくありません。

ノンリコースローンも、有力な投資の資金調達の選択肢の一つとして、さまざまなメリット・デメリットを考慮したうえで、綿密な投資計画を立てて検討しましょう。


最終更新日:2018-01-05

 

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