おすすめPickUP!
不動産を購入するには、ある程度の自己資金を用意し、住宅ローンの借り入れ・返済を行うといった資金計画が何より重要です。失敗・後悔のない不動産購入を実行するための資金計画には、おさえるべきポイントがあります。
無理な資金計画では将来の生活リスクが高まる
不動産を購入する目的は、「自分や家族が住む家を入手するため」「転売して利益を得るため」「賃貸経営を始めるため」など、人によってさまざまです。共通しているのは、不動産を購入したあとも生活があるということでしょう。
自分が住む家を購入したら、当然購入後はその家に住むことになりますよね。家があれば生活できるわけではなく、生活費が必要です。不動産投資で売却益を得るとしても、賃貸経営で定期収入を狙うとしても、収入がすぐに入るとは限らず、生活を支えるための資金は必要になります。
住宅購入も不動産投資も、生活の安定を得たり安心して生活するために行うものであるはずです。ところが、無茶な資金計画によって不動産購入の段階で無理をしてしまっては、その後の生活に大きなリスクを生み出すことになってしまいます。そうならないよう、事前にきちんと、ポイントをおさえた資金計画を考える必要があるのです。
資金計画のポイント
退職後の収入を考えて返済期間を決める
多くの住宅ローンでは最長返済期間は35年で、完済が定年退職しているだろう年齢になることも少なくありません。人生100年時代と叫ばれる反面、年金不安も根強いなか、定年して老後を迎えても無理なく返済していかなければならないわけです。
できれば定年退職を迎える前に返済し終えてしまうのが理想といえます。しかし、そのために無理をするのは禁物です。返済開始から完済までの年齢や家族のライフプランを考えて返済計画を決め、その後も状況に応じて繰り上げ返済を活用するなどしていきましょう。
万が一のための生活資金を残しておく
不動産を購入する際は、頭金や購入に伴う諸経費の支払いとして自己資金を投じるのが一般的です。頭金が大きいほどローンの返済負荷を減らすことができますが、だからといってすべての手元資金を購入費用につぎこむのはやめましょう。
自分で住む家を購入すれば引っ越しで費用が発生しますし、「仕事をしているから大丈夫」と思っていても病気やけがで医療費が必要になることもあります。何かあっても生活していけるだけの費用は確保しておくこと。
諸費用込みで資金を用意する
不動産の購入には、さまざまな名目の「諸費用」が発生します。
一般的に、新築マンションの場合は物件価格の2.5%から5%程度、中古マンションでは物件価格の5%から8%とされ、中古物件のほうが高くなりがちです。また、不動産を購入すれば、固定資産税や不動産取得税なども発生してきます。
資金計画において、そうした諸費用は意外と見落とされがちですが、住宅ローンが使えないことも多いので、注意しましょう。
購入時の金利の安さだけで選ばない
住宅ローンを選ぶにあたって目がとまりやすいのが金利でしょう。金利が低ければ、それだけローンの返済も楽になるからです。
しかし、金利が低いローンというのは、返済している間に金利が上がる可能性がある「変動型」であることが多く、将来的な返済額が変わることもあります。ローンは金利だけで選ばず、将来的なことも踏まえて見極めましょう。
返済開始後も定期的に返済計画を見直す
入念に組んだはずの返済計画も、いざ蓋を開けてみると予想外の事態が起こることもよくあります。社会情勢の変化などを受けて収入が影響してしまえば、購入時に計画したローン返済の実行が難しくなることもあるでしょう。
反対に、予想以上に余裕ができて、返済額を積み増せるようになるかもしれません。返済計画は定期的に見直し、そのときの状況に応じて返済計画を最適化しましょう。
背伸びをしないことが後悔しないコツ
不動産を検討しはじめると、当初の予算をオーバーする物件を購入したくなることもあります。「このぐらいなら予算オーバーでもどうにかなるか」「人生に何度とない買い物だから」と思いがちですが、その“背伸び”が後々まで重荷になってしまうこともあるのです。
また、近年は、全額住宅ローンで購入できるというケースもよく目にします。自己資金の不足に悩む方には朗報に思われるかもしれませんが、頭金ゼロで購入するということは、それだけローンの返済が大きくなるということです。この“背伸び”も非常に危険といえるでしょう。
資金計画の大きなキモは、住宅ローンの返済計画にあります。この計画において背伸びや無茶をしてしまうと、数十年後まで影響してしまうことになるのです。
そうならないよう堅実に設定するのが、失敗・後悔しないためのコツといえるでしょう。
おわりに
人生でも大きな買い物の一つである不動産の購入。無理なく購入するためには、資金計画を無理のないものにする必要があります。そのためには、まずは不動産の購入にいくらかかるのか、諸費用も含めてしっかり計算して認識しておくことが第一歩です。
その認識をもとに、自己資金の準備とローンの返済計画を考えるわけですが、長い時間をかけて返済していくローンは定期的な見直しが必須となります。繰り上げ返済やボーナス払いなどを活用しながら、老後まで無理なく支払えるような道を整えましょう。
最終更新日:2017-08-13