おすすめPickUP!
不動産投資を考えていると、「リバースモーゲージ」という言葉を見聞きすることが少なくありません。最近特によく聞くようになったこのリバースモーゲージとは、どのようなものなのでしょうか。
その仕組みや注意点についてご紹介します。
リバースモーゲージとは?
「リバースモーゲージ」とは、融資制度の一種。自分が住んでいる家を担保にして資金を借り入れるというもので、主にシニア層を対象にしたローン商品です。借り入れる方は担保とする家に住みながら老後に向けた資金や住宅ローンの返済金などを準備することができます。
借り入れたお金は一括で受け取るものと毎月受け取るものがあり、死亡後は売却して一括返済するという仕組みです。
担保とできるのは、基本的には戸建て住宅となっています。マンションは対象外とされることが多く、戸建てでも地域によっては制限が生じることもあります。持ち家があれば必ず利用できるというわけではないので注意しましょう。
日本では高齢化や長寿命化が進み、老後資金の手当が喫緊の課題となっています。そうしたなかで、住まいを有効活用して資金を調達できるという点で、このリバースモーゲージが注目を集めているというわけです。
人気が集まるだけあって魅力的なローン商品といえますが、その利用にはデメリットや注意点もあります。
リバースモーゲージを利用するメリット
リバースモーゲージの大きなメリットは、住んでいる自宅を売却することなく融資を受けることができる点にあります。年齢を重ねると賃貸住宅の契約が難しくなることもあるといわれますし、住み慣れた家を売ってしまうことには不安もあるでしょう。
そうした心配をせずに手元の資金を融通できるのは、シニア層には大いに役に立つと思います。
さらに、その資金を自由に使いやすいというのもリバースモーゲージの有効な点です。使いみちが限定される場合もありますが、使途を限定されないタイプであれば、生活費にあてることもできれば旅行や買い物などに使うこともできます。
一般的なローン商品では年齢や収入によっては借り入れが難しいこともありますが、リバースモーゲージの審査基準は住宅ローンなどに比べてそれほど厳しくありません。利用可能な年齢は金融機関によって異なりますが、55歳から、あるいは60歳からといったものが多いようです。
リバースモーゲージを利用する際の注意点
そうした便利なリバースモーゲージにもリスクがあります。
まずは金利上昇リスク。リバースモーゲージの金利は変動金利が多いため、将来的に金利が上昇した場合には返済額が想定より多くなる可能性があるのです。
「返済は死後の売却で賄われるから問題ないのではないか」と考える方もおられるかもしれませんが、その自宅の評価額も一定ではありません。担保とする家の評価は定期的に更新されます。もし評価額が下落するなどして売却しても全額返済が見込めなくなる場合は、一括で返済を求められることも。
また、リバースモーゲージを利用した方が長生きすることも、残念ながらリスクになってしまいます。
生存中は生活費用が必要です。リバースモーゲージの融資額が残っているうちはいいのですが、もし使い切ってしまったら……。かといって、融資額を大きくすれば、返済額もそれだけふくらむことになります。
おわりに
リバースモーゲージには便利な点もとても多いのですが、仕組みが複雑であったり、将来的なリスクがあるなど、気をつけるべき点も多いものです。利用を決めるにあたっては、そうしたリスクもふまえて十分検討しましょう。
その検討段階では、家族との相談も必要です。利用者の死後に物件を売却して返済にあてるリバースモーゲージでは、同居する家族がいた場合には家を失ってしまうことになります。また、相続財産にも影響することから、利用には推定相続人全員の同意が必要になるのです。家族がいる場合は、利用者一人で決めることはできません。
リバースモーゲージの検討は、老後の生活を計画するうえでいい機会になるでしょう。家族の方ともよく相談して、商品の内容や利用条件などを吟味し、老後への備えを進めたいものです。
最終更新日:2017-07-23